院長は学生時代(阪大歯学部6年生)最後の夏期休暇を利用して、1ヶ月余りヨーロッパ旅行をしたことが
あります。
最初の2週間はイギリスのケンブリッジでの英語研修コースに入り、その後、ヨーロッパ各国の
鉄道を自由に乗り継げるユーレイル・パスを使って、パリを起点にイギリスで知り合った友人の住まいを訪ねるなどしながら、
スイス、ベルギー、オランダ等のヨーロッパ北部を回りました。
歯科という専門業務に本格的に入る直前に、見聞を広め多様な人達と交流した海外旅行は、振り返ってみて、大変貴重な
経験であり、その後の専門業務に取り組む際の考え方や視野において深い影響を持ってきたと感じます。
<学生旅行のロンドンでの院長(若〜い!)>
この秋、ヨーロッパ・インプラント学会( EAO )に参加するにあたり、ヨーロッパ文明の源流の地である
ローマを経由し、南仏の高級リゾート地として有名なモナコを含め1週間程の旅行をしましたが、
思えば、私にとって、地中海に面する地域を訪れたのは初めての経験でした。
考えてみれば、ローマは紀元前後には、ギリシャの芸術・思想文化を受け継ぎつつ、すでに地中海を跨ぐ
大帝国を作り上げていました。その頃、日本は未だ弥生時代(!)です。この巨大帝国の版図の中で深く
浸透していき(ついには、それを乗っ取った?)キリスト教の総本山(バチカン)もまたローマの中心部に位置し、ローマ帝国がその勢力を
失っていった中世期においてもヨーロッパ世界の中心は、やはりローマ(バチカン)でした。しかも、この中世
の宗教的閉塞を打ち破って近代を切り開いたルネッサンスもまた、ローマとは目と鼻の先に位置するフィレンツェ
等のイタリア諸都市から始まっています。そう言えば、今春、国際歯科器材ショーに訪れたドイツのケルンも、その英語表記の都市名(Cologne)
の由来は(ローマの)植民地<ラテン語colonia>から来ているということでした。その長く厚い歴史から考える時、イタリアこそがヨーロッパ文明の総本家と言える
のでしょう。
今回の短期間の旅行でもその事はひしひしと実感できました。ローマ滞在の第一日目は、一人、市内
循環バスに乗り、ローマ市内に散在する様々な遺跡を巡って、ひたすら歩き回りました。
紀元1世紀に建造されたコロッセオ
紀元1世紀に建てられたというコロッセオの前に立つと、その巨大さに圧倒されますが、そこで5万人
ものローマ市民が当時の様々なエンターテインメントを楽しんだ姿を想像すれば、要するに、これは当時の
『聖地甲子園』だったんだな、と納得できます。
(それにしても、何千年の時を隔てて、人間社会の娯楽スタイルの何と不変なことよ・・・)
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壮大な規模を誇るバチカンの大聖堂
古代ローマの遺跡群からバスでわずか10分程度の所にあるバチカンの大聖堂もまた巨大でした。しかし、その内部に入った時の重厚かつ豪華絢爛ぶりは、宗教や思想という絆を通して
人間集団のエネルギーが凝縮された時、それがどれだけ巨大なものになるかをまざまざと見る思いがします。
バチカン大聖堂の内部
2日目から合流した若手歯科医師ともローマ周辺やフィレンツェの名所旧跡をあちこちと見て回りましたが、様々な時代が
重層したようなその歴史の厚さには、本当に感じ入りました。
一方、現代のイタリアと言えば、ローマ空港から中央駅に向かう、その名も『レオナルド・エクスプレス』の車両の汚れっぷりに愕然と
したり、フィレンツェに向かおうと、ユーロスターという新幹線チケットを自販機で購入した際、
列車指定を変更しようとすると、数少ない窓口には長蛇の列を成しているのに担当者はのんびりと窓口の客の観光相談に乗って
いたり、と、大らかと言えば大らかなアバウトぶりに驚くような経験をしました。
その他あれこれの旅先でのハプニングから、まあ、こりゃ厳しい現代社会のトップランナーにはなれんかな、と感じたことでした。
盛り上がったカンツォーネのディナー=ショー
悲喜こもごもの小体験の後、夜の食事は、是非、生のカンツォーネを聴きながらのディナーを、と探し回りようやく
見つけたレストラン(Ristorante Thalia)には大満足でした。
学生時代から、その身体の底から歌い上げる歌いっぷりの小気味よさが大好きで、レコードでよく聞いていたカンツォーネを
生で聴く迫力に感動し、人生を心から楽しむ姿勢に満ち満ちたイタリアの聴衆たちと大いに盛り上がり、日本でのセコセコした日常を忘れた一夜でした。
(そうです、人生で大切なことは、仕事を含め人生の時間を愛し、楽しむことです!)
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