歯科医師会でのネット活用(3)

<現役時代の旧ホームページからの移植です>(2001.12.1 分)

日本歯科評論 THE NIPPON Dental Review Vol.61No.12(2001 12) P.62-63 掲載

その(3)

兵庫県歯事務局のネットワーク化

 このようなプロセスの中で,やや予想外の発展が 進んだのが,事務局職員間でのネットワーク利用で ある.前述のように,昨秋,1人1台体制ができ上 がった事務局では,情報調査室を担当していた事務 職員の熱心な取り組みを事務局幹部職員が後押しす る形で,このFCISシステムの事務局内での活用が 始まった.職員のPCがすべてLANで結ばれてい る状況が作られ,これら職員の全員がFCISに登録 し,相互にメッセージ交換ができ,同一部局のメン バー間で情報を共有するための会議室が設定された. これら事務職員間でのネットワーク利用はあっとい う間に進み,職員間の業務連絡が主としてネットワ -ク経由で行われる体制が出来上がった.
 現在では,事務局業務の事務連絡のかなりの部分 がネットワーク経由で行われるようになっており, FCISシステムなしでは業務に支障が生ずるほどに なっている.事務局業務の大半が各種の情報伝達で あることを考えると当然ともいえるが,事務局業務 がネットフーク化することは,そこで流通する情報 がデジタル化することを意味し,今後の展望を考え ると,これはきわめて重要なステップといえるだろ う.
 なお,この兵庫県歯のFCISシステムを利用して, 近畿北陸地区の歯科医師会間の情報連絡システムを 作る方針が昨年度の連絡協議会で決定され,運用が 始まっており,また,四国地区での情報システム構 築の試用も始められる動きかおり,単一府県歯を越 えた連繋が広がりつつある.

県歯会員専用の情報提供システム
(イントラネット)の充実

 このような事情で,約4年前にスタートした兵庫 県歯の3つの情報システムのうち,現在我々が 主要な課題として取り組んでいるのは,会員専用の 情報提供システムを中心としたイントラネットの充 実である.
 会費をいただいている会員向けのサービスは,実は 県歯としては不可欠の主要な業務の一つである.

そして,歯科医師会組織としての会員向けのサービス の多くは,各種の情報提供である.その意味で,会員 向けの情報発信をネットワークで行うことは,ネット ワーク利用の多くのメリットをそのまま活かすことに なる.
 ネットワークを利用した情報発信は,
①最新の情報を迅速に送れる,
②情報の修正・更新が即時に行える,
③情報発倍量に事実上制限がないに等しく, 求める人のニーズに合わせて充分な形で行える,
④情報発信の費用や手間が従来の手段に比べて圧倒的 に少ない,
⑤双方向的なやり取りも簡単に行える,
等々多くのメリットが上げられる.

 これらのメリットを活用すべく,われわれが取り 組んできたのは,
①県歯の各組織からホームページ形式で情報提供を行う,
②情報調査室の収集した各種データを詳細に報告し, 会員のニーズに合わせた形式で引き出せるシステムを作る,
③定期発行の広報紙をホームベージ形式で提供する,
④医療保険関係の情報についてデータベース化と検索システム作 りを行う,
等々である.また,現在の課題として取 り組みを進めているのは,各種会務関係手続きをネ ットワーク経由で行うシステム作りである.関係役 員の方々,事務局担当者の方々のご協力をいただき つつ着実に進めて行きたいと考えている

 

投稿者:

matsuga_senior

《松賀正考》大阪大学外国語学部英語学科、歯学部卒業。明石市で松賀歯科開業。現シニア院長。 兵庫県立大学大学院会計研究科卒業。同大大学院経済学研究科修士課程卒業、博士課程在学中。