大学院生の長い夏休み

ものを書くエネルギーというものがどこから出てくるのか不思議です。前回の投稿から2ヶ月近くが経過しました。こんなに空いたのは、このブログ開始以来、初めてのことです。書くべきことが無かったわけでは、全然ありません。いやむしろ、この期間、書きたいテーマはこれまでの大学院生活でかつて無かったほどありました。
なぜ手がつかなかったのか、一つには目の前の現実が十分充実していて、そちらにエネルギーが完全に消費されていたことがあるでしょう。『リア充はネット遊びをしない』と少し皮肉を込めて言われることがありますが、まさにそんな面もあったように思います。
それから、もう一つ感じるのは、現役を離れた後、長い自分の人生の軌跡を振り返って、心に浮かぶ様々な問題について、このブログを開始して数ヶ月で自分なりに書き切ったような思いがあったように思います。現役時代の多忙さや精神的余裕の無さ、目前の課題に縛られる視野の狭窄などの中で様々な思いが沈殿しつつも、それを取り分けて整理するゆとりが無いままに走り続けて来ました。現役を離れた後、大学院に入学し、新たな生活のリズムと新しい視野を持つことをきっかけに、まるで沈殿していた様々な思いが新しい視点からまとまり始め、大げさに言えば、噴出するような感じで、次々と書きたいテーマが続きましたが、それが一段落したような状態だったと言えるでしょうか。

現在、大学院は前期の講義がすべて終了した後、2ヶ月の長い夏休み期間に入っています。これは、この会計専門大学院の特殊事情のようですが、8月下旬に公認会計士試験が行われるため、その受験志望者への配慮もあってか、7月末に全講義が終了した後、期間が空いて、9月の初旬の1週間が前期末の定期考査の期間になっています。今はまさに、その期末考査試験の準備の山場とも言うべき期間です。先週くらいからようやく試験モードになってきました。こういう特殊事情もあるせいでしょうか、2ヶ月という長い夏休みに入っているはずが、何となく長期休暇入りした解放感のようなものは今は未だありません。まず、目前の大きな課題をこなさなくっちゃ、という感じです。私が所属している大学院では前後期の各学期で受講できる科目数は(演習ゼミを除いて)8科目までとなっています。その目一杯の科目を受講しているので、来週半ばから1週間で8科目の期末考査の準備をしなければなりません。


 (試験予定の8科目の講義資料集)

何しろ、これまで全く未知の目新しい分野ばかりでしたから、その分野の発想や考え方に馴染むだけでも結構時間がかかった感じがします。しかし学習というのは不思議なもので、数ヶ月その世界に浸っていると、その分野の発想の仕方や世界観のようなものが徐々に染み込んできて、自分の中に、新しい視野が開けて来るのを感じます。この感覚が、新しい分野に取り組む時の独特の新鮮さであり、人間の精神の深い所で感じられる喜びでしょうね。たった数ヶ月の勉強だけで、経済新聞を読む際の記事内容への反応や響き方が変わってきているのを感じます。2次元だった紙面の内容が3Dで見えるような感覚です。証券会社からの投資提案についての説明を聞いても、その感覚が全く違ってきました。


(以前なら意味不明だった日経1面記事)

耳慣れない用語が飛び交う講義を聞き、時々行われる小テストや中間テストの準備に追われ、若いクラスメイトたちとLINEでの情報交換や試験情報のアシストをもらったりの数ヶ月で、いつの間にか、会計専門職予備生という感覚がしっかりと生まれてきているのが不思議です。

夏休み入り直前に、いくつかの小テストがあり、休暇に入った直後、大学の国際交流機構が主催するイギリスの超エリート校(Oxford &Cambridge )の学生さんとの1週間の交流英語研修セミナーに入り、その後、定期考査準備勉強会(と称する、実は、BBQ会)を設営したりと、この夏、結構なイベントがありました。目前に迫った課題である前期の期末考査が終われば、ほぼタスク=フリーの休暇に入れます。定期考査終了後の9月半ばからの2週間のカナダ=ホームステイ計画が、この夏休みの最大のイベントでしょうか。暑さのピークの中で学部学生たちと頑張ったOx-Bridge 英語サマーキャンプ(これが正式名称でした)の訓練が活かされるか楽しみではあります。

 
  (英語研修セミナーの風景)


 (英語サマーキャンプで奈良へ小旅行)   


  (クラスメイトたちとのBBQ会で)


(神戸FFパークでのBBQ)

では、これをお読みいただいた皆さん、厳しい残暑が続きますが、健康に気をつけて、夏を楽しみましょう。

<おまけ>
夏だし、ボサノバでもゆっくり聴きたいなぁ、と思って、You Tube で検索していて、スペインはバルセロナ出身の若手 JAZZ ボーカリスト&トランペッターを発見!
7歳からトランペットを学び始め、10代半ばで大物 JAZZ アーティストに見出されメジャーレコードデビューを果たした超若手アーティストAndrea Motis です。
ルックスが可愛いだけではなく、ホントに上手い!!おススメです。是非、一聴を。
(彼女の演奏を是非、現地の会場でナマで聴きたい!と密かにスペイン=ツアーを計画し始めました・・昨年のクリスマスには、来日して東京のジャズクラブで演奏していたようですが。出来れば、やはり現地の雰囲気の中で彼女の音楽を味わいたい、ついでに、スペインの芸術的建築群も訪れてみたい、と思い始めました。

2曲目の『Desafinado』が、特にお気に入りです。Disney メロディーの『Someday My Prince Will Come』という曲の JAZZ バージョンもいいですね。『Twenty Hours A Day』も楽しい!みんなステキです・・。

この『Solitude』はオーケストラをバックにした演奏が本当に綺麗で、うっとりします。

『Twenty-four Hours a Day』のダンスバージョンです。Andrea はサックスを吹いて歌っています。それにしてもスペイン人もラテン民族だったんだ、という面目躍如です。

<おまけのおまけ>
このAndrea の『Solitude』という曲ですが、かの大御所 Duke Ellington の曲のようです。オリジナルの演奏は聞いていませんが、Andrea の演奏を聞いていて、切々とはしてるのですが、それだけではない、深い瞑想性、祈りのようなものが感じられるのは私のひとりよがりな印象なんでしょうか。
『Solitude』というのは、日本語では『孤独』と訳されるのが普通ですが、この『Solitude』は同じ日本語で訳される『Loneliness』とは少しニュアンスが異なるようです。『Loneliness』は<一人ぼっちで居て寂しい>というマイナス=イメージであるのに対し、『Solitude』の方は単に<一人で居ること、人と離れていること>という中立的なイメージからさらに、むしろ<一人で居ることの気楽さ、人に縛られず、自分の自由を愉しんでいる>という積極的でポジティブなニュアンスも少しあるようです。

<某web辞書の訳 = 孤独、独りぼっち◆他の人がいないことによる寂しさだけでなくその自由さを歓迎する意味も表すことができる。
・I like the solitude when I walk through the woods. : 森を歩いて通るときの孤独感が好きだ。>

勝手なこじつけ、我田引水ですが、現在の私の大学院暮らしは、そっちのイメージに近いかなぁ、という気がします。『Solitude』でなければ、中々実現しなかったかもしれない気ままな生活を楽しませてもらっている、と感じるこの頃です。

<おまけのおまけのおまけ>

『Twenty-four Hours a Day』ってタイトルですが、文字通りだと『1日に24時間』という意味ですが、あるサイトに、『寝ても覚めても』としてありました。1日の24時間中、つまり四六時中、すなわち寝ても覚めても、という訳です。<上手い!座布団5枚!>って感じですね。

投稿者:

matsuga_senior

《松賀正考》大阪大学外国語学部英語学科、歯学部卒業。明石市で松賀歯科開業。現シニア院長。 兵庫県立大学大学院会計研究科卒業。同大大学院経済学研究科修士課程卒業、博士課程在学中。