ネット会議アプリ・FirstClass

例のApple社を取り上げた経営学の レポートも提出したし、プレゼン資料の作成中、データの完全消失かっ!と、冷や汗💦を流したゼミの発表も無事終わりました。今日は講義が無い日でヒマなので、ちょっと昔の思い出話を書いてみたいと思います。

私が兵庫県歯科医師会の調査室という委員会に入ったのは、平成に入ったばかりの1990年でした。(『情報調査室』と、前に情報を付けたのは、その6年後、私が理事を担当させていただいた時の私の希望によるもので、それまでは主として会員アンケートの統計分析が中心の『調査室』でした) 私の1期目当時の委員長は、<数学が三度の飯より好き>というNB先生で、委員会は連日統計学演習だったと思います。ちょうどその1年目の春、私は初めてのMacを購入して夢中になり、その任期中の3年かけてNB先生を神聖なるMac教徒に改宗させたのでした。その後、NB先生は私以上に敬虔なMac教徒になられ、後に業務用ソフトの主流になってきたWindows に、チョロチョロ浮気する私を冷ややかな視線で見下ろされていたものでした。

当時の委員会の主要業務は、会員アンケートのデータ統計分析処理でしたので、共同作業をするために、(未だMS-DOSだったかなぁ)ディスクでやり取りしていました。当時は未だインターネットは一般利用に開放されていませんでした。それでもパソコン間で通信しようという動きは早くからあって、電話線を使ったダイアルアップ接続という原始的な形ながら、パソコン間での情報のやり取りの試みは始まっていました。そんな状況の中、私はふとデータのやり取りやさらには委員会の組織活動がこのパソコン通信(パソ通、と呼ばれていました・・懐かしい)というシステムで出来ないだろうかと思いつきました。当時、原初的ながらも、グループでメッセージのやり取りをする試みは始まっていて、ネット上の共同の掲示板という意味でBBS(Buleltin Board System)と呼ばれていました。現代のインターネット上のSNSの旧石器時代版ですね。何かいいBBSシステムがないかと書店で購入した『BBS入門』というような解説本の中で初めて知ったのがFirstClass でした。その解説本の中で、唯一のMac アプリケーションでした。その説明を読んで、FCのシステムの多彩な機能と先進性に一目惚れして、当時(カナダの開発元の)代理店をしていた静岡県の小さな会社に連絡したのが始まりでした。この会社は数年後、アスキーという一応名の通った企業に買収されその後、FCマネージメント社に分離されたようです。したがって、私はFCマネージメント社の現社長さんより以前にFCと付き合っていたことになります。

私の調査室の2期目、1993年、あくまで、私の個人的趣味という前提で私の自宅の2階に設置したサーバーに電話線を介したパソ通でNB先生と色々実験したのがスタートでした。その後、委員会の連絡システムとしての実験的運用が始まりました。私の3期目、理事を担当させていただいたのは、1996年、震災の翌年で、震災の教訓として情報通信システムの重要性が見直され、一気にインターネットが注目を浴びました。FCも委員会の情報連絡システムとして定着して来ていましたので、私の自宅からついに会館に引っ越し、しかもインターネット接続も果たしインターネット=サーバーとなったのです。この時は感慨がありました〜😂😂

さらに、この時期、歯科医師会の全国組織である日本歯科医師会の情報委員会にも潜り込んだ私は、年度末に余った研究予算をゲットして、何とこの全国組織である日歯のFirstClass サーバーを立ち上げたのですが、そのサーバーは何と私の診療所の2階に設置していたのです。ただ、事務局等の頑強な保守勢力の隠然たる抵抗にあって、数年しか持たなかったのですが・・。振り返れば悲喜こもごもの色んなことがあったなぁと思います。しかし、そんな小さな試みの数々の積み重ねを経て、私の自宅書斎からスタートした電子会議室システムは、およそ20年後の現在、県下の歯科医師会員<総数 3,100 人>の約1,400人が登録利用する大情報システムに育ち、私の地元の明石歯科医師会の標準的連絡システムにすらなっています。20年前、関係者が夢想だにしなかった変化が起きたのでした。これほどの多数の会員が利用される状況に至るとは、当時、夢にも思いませんでした。この間の経緯は以前の投稿にも記しました。

http://www.matsuga.net/senior_blog/2018/1329/

考えてみれば、このFCは私が初めて触れた時点から数えて35年以上続いているネット上のアプリケーションということになります。それは、激動が続くITの世界では、極めて稀有なことと言うべきでしょう。
願わくば、このFCが本当に安定した使いやすいシステムとして、今後も活用されていってもらいたいものだと思います。

しかし、色々使ってみるにつれて、特に表示関係で今も様々な不具合が目につきます。FCの多彩な機能も十分に活かせているのか、ちょっと気になります。その辺りをぼちぼち改良していければなぁ、と思います。

それは、私の人生で手をつけたことをちゃんと仕上げるという意味で、私の『終活』の1つになるのかもしれません。

投稿者:

matsuga_senior

《松賀正考》大阪大学外国語学部英語学科、歯学部卒業。明石市で松賀歯科開業。現シニア院長。 兵庫県立大学大学院会計研究科卒業。同大大学院経済学研究科修士課程卒業、博士課程在学中。